ミコト:
第一楽章の、左手の単音が始まって、のどかな和音が重なって、テンポが早くなってく。バックハウスの「田園」の特徴だけど、いやぁ、モノラルでも同じなんだなぁ。より即興的でより決まってる感じ。
フタコ:
楽譜から言うとおかしいわよ。
ミコト:
モノラルはまだいくつも聞いてないけど聞き進めてないけど、ステレオより、より柔軟性があって、情緒的な感じなのかもしれないなぁ。これは、うれしい誤算だったなぁ。
フタコ:
録音は古いけど、ピアノのタッチの美しさはこっちの方が上かもね。
ミコト:
バックハウスは、録音が少なくて(と言っても多いけど)、さらに同曲異演が少なくて、一つの録音だけで、その芸術性までも判断せざるを得ない感じもあったけど、こう、聞き比べると、やっぱり「一回性」という潔さみたいのを感じるよ。
レコードにふさわしくない演奏というわけでは断じてないけど、レコードだからと言って変に緊張しているわけでもない。いい時代の演奏だね。
フタコ:
たった、2曲聴いただけで断じられるあなたを尊敬するわね。
ミコト:
ステレオは、すこし、表現が固くなってしまってたんだなぁという感じもするよ。「鍵盤の獅子王」のあだ名も相まって、ステレオ全集によって、バックハウスのイメージが培われた印象もあったんじゃないのかね。ぜひモノラルを聞いてみるべきだと思ったよ。
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